先日の5月7日は経団連(日本経済団体連合会)の中西宏明会長(日立製作所会長)が、そして昨日の5月13日にはトヨタの豊田章男社長がこのまま終身雇用を守るのは厳しいという認識を示しました。
少し前には、富士通45歳以上の社員に早期退職を募る事を発表しました。他にも、昨年6月にはNEC、今年2月にはカシオ計算機などの大手企業でも同じように早期退職を募る事を発表しました。
令和の時代に入り雇用情勢が大きな転換期を迎えようとしています。
そこで今回は、終身雇用について説明していきたいと思います。
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【【【 】】】そも終身雇用制度とは?
まず、終身雇用制度とは、簡単に言うと企業が正社員として採用した従業員を定年まで雇用する慣例の事です。制度と言っても、法律や規則などで明確にルールとして定義されたものではなく、それぞれの企業が自社の努力目標のような形で取り入れていることが多いです。
日本で終身雇用制度の導入がはじまったのは、1950年頃だと言われています。
当時は景気がよく、右肩上がりの成長を続けていたため、企業は優秀な人材を長く自社に確保しておきたいと考え、よい従業員を獲得するために、ひとつのメリットとして「終身雇用」を打ち出しました。
「うちに入ってくれれば、定年まできちんと雇用させていただきます」と伝えることで、求職者に「安心感」というメリットを提示したわけです。
終身雇用のメリットとデメリット
労働者から見た終身雇用制度の最大のメリットは、「安定性」です。終身雇用制度がきちんと機能していれば、定年までは安定した収入を得られるという「保証」があります。
逆に雇用主から見たメリットは、長期的な視点で人材を育成できるという事です。
雇用主側のデメリットとしては、賃金(人件費)高く簡単に減らす事が出来ないことです。
仮に業績が悪化したとしても、正社員は簡単に解雇できません。また、通常は※年功序列の為、従業員が高齢になっていくにつれて賃金コストも上昇していきます。
また、従業員にとってはメリットでもある「生涯雇用してもらえる」という安心感が、従業員の質、モチベーションが低下していくというリスクが発生する場合し、従業員が成長努力を怠るようになってしまう可能性が出てくる事もありえます。
※年功序列とは,年齢や勤続年数に応じ昇進や昇給が決まるという慣例のことです。これにより長く会社務めると給与は上がっていくので,これも人材の長期定着につながるメリットがあります。
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【【【 】】】なぜこの状況になった?
終身雇用制度について簡単に見てきましたが、なぜ今経団連会長とトヨタの社長が終身雇用を守るのが厳しいという見解を示したのでしょうか?
それは終身雇用制度が、業績が右肩上がりに成長することを前提にとした制度であるからです。
現在の日本市場は少子高齢化に伴い縮小傾向にあり、現実問題として終身雇用制度を維持し続けることは困難な状況なのです。
なので最初に書いた富士通、NEC、カシオ計算機などの企業が早期退職を募るケースは増加の傾向にあります。
今後どうなる?
では、今後どうなっていくのでしょうか?
終身雇用がなくなる事によって今後は
- 実力主義に変わって来る
- 正社員の解雇をしやくなる
- 雇用の流動性が高まり転職が当たり前のようになる
- 新卒一括採用が無くなる
などの変化も生じるてくるはずです。
そういった事が起これば、今までの働き方、ただ指示に従って働いているだけ、受動的な働き方では雇ってもらえなくなる人が出てくるでしょう。
今後は勉強しスキルを磨き自分で価値を生み出すといった努力を続けていかないと生き残れない状況になってくる、逆にいえば努力し結果を出せばそれだけ高く評価されるようになると私はそう考えています。
いかがでしょうか、最後の考察は私の予想なので完全に当たらないと思いますが、社会が変化していく中でその変化に対応する努力は必要となってくるでしょう。
今後もどういった人材が求められるか、そのために何が必要か考察しそれを書いていきたいと思います。
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